宿泊事業に参入したいが「どのエリアでどのような物件を選べば良いか?」と悩まれている方も多いと思います。
名古屋市で宿泊施設を始めるにあたり何に注意して物件を選定すれば良いか解説します。
● エリア選定
弊社で管理を受けている物件の多くは【中区・中村区・西区・東区・千種区】です。
都心(名古屋駅や栄駅)へのアクセスも良好で名古屋市内でも屈指の人気エリアです。
物件から最寄駅までの距離は近いに越したことはありません。徒歩5分圏内が理想であり遠くても徒歩10分圏内に抑えた方が良いです。宿泊施設のターゲットとなる観光客は重たいスーツケースを持って移動するためです。
ただ、駐車場が無料で利用できる場合、駅から近い必要はありません。
ご家族や友人グループでのご移動は国籍問わずお車でされる方が非常に多いです(海外の方もレンタカーを利用されている方が非常に多いです)
名古屋市内においては駅から遠い物件でも駐車場が付いているだけで十分に集客は可能です。
※ 都市計画法に基づく用途地域の中で「住居専用地域」は平日の営業が出来ませんのでご注意ください。そもそも住居専用地域は閑静な住宅エリアのため民泊開業をお勧めしません。
● 周辺環境
物件のすぐ近くにコンビニ、スーパーマーケット、ドラッグストア、ドン・キホーテのような免税店、人気の飲食店、カフェなどがあれば滞在における満足度は向上します。
駐車場がない物件は近くにコインパーキングがあるかも重要です。周辺のコインパーキングの数や普段から空きが多いかもチェックする必要があります。
しかし、こららの店舗はいつ潰れるかわからない外的要因に影響されるので、近くにあればラッキーくらいの感覚でも良いかと思います。
外的要因に影響されにくい魅力的な施設を作るという考え方が重要です。
● 形態(所有/転貸/新築)
・所有
宿泊事業の参入に一番向いているのは既に物件を所有している方だと思います。
― 戸建て物件を所有しているが長らく利用していない
― マンション一棟所有しているが空室が目立つ
今まで収益を生まなかった物件が収益を生むかもしれないという可能性を秘めています。
注意点として、外観がオシャレな木造二階建ての壁が薄いアパート(ロフトやスキップフロア)はあまりお勧めできません。そのような物件は天井が高く声が反響し騒音クレームに発展しやすいためです。
また、分譲マンションの区分所有も注意が必要です。マンション管理規約で「民泊のような宿泊施設利用禁止」と定められていることが多いです(肌感で99%は不可です)
・転貸
物件を賃借して宿泊事業に参入する方は「いかに広く、いかに安く借りる」ということが重要になります。
- 最低でも40㎡以上
― 賃料は共益費込みで10万以下には抑えたい
弊社では転貸可能の物件紹介は一切しておりません。また、今後もする予定はありません。
理由としまして、良い物件が出れば自社で運営した方が利ザヤが残るためです。そのため弊社のような運営代行業者が紹介する物件は「運営会社が自社でやるまで至らなかった」という裏付けで、利益が残りにくい可能性があります。
転貸で参入を検討している方は「町の不動産会社」や「お知り合いの不動産屋」に物件を紹介してもらうなど、自身の足で物件を見つけていただく必要があります。
これが非常に重要なことで、仲介業者と良好な関係を築けることができれば、新規物件の紹介を恒久的にしてくれます。
弊社でお付き合いがある転貸参入の方々も最初の一件目は苦労するが、仲介業者が次々と物件を紹介してくれるので二件目三件目の開業はスムーズにいったというケースが非常に多いです。
・新築
土地を購入して新築物件で開業するという方法もあります。企画立案から開業まで期間を要しますが、賃貸用の戸建てやアパート、マンションを建てるより収益性は高い可能性があります。事前に収益シミュレーションを作成し、検討を重ね決断する必要があります。
建物(戸建て/アパート、マンション)
・戸建て
戸建ては比較的、宿泊施設への転用が容易です。駐車場が付いていればなお良いです。
しかし、「三階建ての戸建て」は要注意です。
三階部分も宿泊者へ貸し出す場合、建物内の階段を「竪穴区画」にする必要があります。
※ 三階建てで階段が竪穴区画でない場合、三階の利用申請をせず、一階と二階のみで利用するという方法で開業することは可能です。
・アパート、マンション
マンションの場合、建物に自動火災報知設備が付いているか付いていないかを確認する必要があります。
自動火災報知設備が付いている物件では新しく自動火災報知設備を設置する必要はありません。
自動火災報知設備が付いていない物件では、無線型の自動火災報知設備(特定小規模施設用自動火災報知設備)を設置すれば問題ありません。
ただ、特定小規模施設用自動火災報知設備が設置できる部屋数は制限されるため事前に管轄の消防署へ確認する必要があります。
三階以上にお部屋があるが、エレベーターがないような物件も要注意です。
室内設備に関して、賃貸仕様の設備より分譲住宅仕様の設備の方が滞在における満足度は向上します。
【まとめ】
どのような形態で参入される場合でも選択肢が多いため、それぞれにメリット・デメリットは存在します。
弊社では物件を選定する様々な視点を持っております。
(その他 一例)
- 人が集まるリビングの窓の位置や形状、窓先空地
- 町内会の雰囲気
- 建物一階に油を多用する飲食店が入っていないか?
- 寝室の窓が交通量の多い道路に面していないか?
- 古い設備は交換した方が良いか?
― リフォームを施した方が良いか? などなど
物件情報があれば弊社ならではの視点でご相談を承ります。